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170812読んだ本

岩波ぃ~お主も心底ワルよのぉ~(* ̄∀ ̄)ノ いえいえ、みどりん様には、かないませぬぅ(^。^;)

【読んだ本】

森田誠吾『明治人ものがたり』(岩波新書,1998)所蔵本

「学歴のない学歴」を読了(^^) タイトルは〈学校歴のない学問歴〉の意で、森銑三を取り上げて、
その「主題は、森がいいだした日本文学史上の驚くべき新説であり、また、その新説が、なぜか
専門家には相手にされず、従って世間もそんな新説を知らない、という不思議である。」由(@_@)
「その新説」とは「西鶴の作品、多々あれど、西鶴みずから筆を執ったのは、『好色一代男』のみ、
と。」するもので、それを「西鶴一本説」と呼ぶ森田誠吾は、「・・・新説を出して学界に影響を
与えたと[死亡記事は]いう。だが、そんな話は聞いたことがない。」とか、「・・・その新説は
黙殺されて、歴史学界はもとより国文学界にも、論議など呼んでいない、・・・」と断言する(@_@)
でも、以上の世間・学界に対する森田誠吾の認識は間違いかと(+_+) 例えば、杉本苑子の短篇小説
「西鶴置きみやげ」は『二条の后』(集英社文庫,1989)の磯貝勝太郎「解説」が紹介するように、
同短篇が収録された日本文芸家協会編『昭和四十三年度 代表作時代小説』に付された作者のことば
には「西鶴作と信ぜられてきた諸作品を〝『一代男』以外は門弟の作〟と断定した森銑三氏の発言
はショッキングだが、・・・」云々とあり、森銑三の説を受けてその「不自然も矛盾も」解消する
「一つの仮説」を立てた上で同短篇が書かれたことが判る(^^) また谷沢永一『紙つぶて(全)』
(文春文庫,1986)等によって、国文学界が黙殺してきた森銑三の説を日本の近世文学研究の泰斗・
中村幸彦が取り上げて、それを是正・発展させたことも広く知られている(^^) しかも、ノーサイド
1995年5月号の谷沢永一「森銑三」は、〈日本古文藝研究史上に最も画期的な提言である。しかし
西鶴学界を牛耳る京都大学の野間光辰が聞く耳持たずと拒絶反応を示し、野間の顔色を窺うこと専一
の幕下に参ずる小物学者も一斉に同調したので、森銑三が畢生の熱意を籠めて書き綴った一代男論は、
学閥の厚い壁に撥ね返されて生き埋めになった。それから実に時を経ること二十年、遂に堪り兼ねた
中村幸彦が野間を窘める意をも含めて「編輯者西鶴の一面」(昭和50年)を書くに及び、漸く学界は
西鶴が助作者を従えての浮世草子編輯者であった事情を認めざるを得なくなった。野間光辰が死去
するに及び、今や森銑三が学界の機運を大きく動かした功績を誰も否まない。〉とし、その舞台裏も
『紙つぶて 自作自注最終版』(文藝春秋,2005)で披露した^_^; なのに、森田誠吾は〈この森の悲壮
ともいうべき「西鶴一本説」について、今一度、うそかまことか、ことの始まりからたどり直して、
なろうことなら、決着をつけてみたい。〉と言い出してる(゚ロ゚;)マジ!? 森銑三の立論を「我田引水」、
「あらずもがなの独断に陥る。」等と酷評した挙げ句、〈森銑三の「西鶴一本説」は、真摯な学者で
あっても、時に遭遇する不運[=「資料一切を焼かれ」たという「戦禍」]、そこから生まれた異説
であって、邪説のたぐいではない。〉と実質冷評して本篇を〆る(@_@) 森銑三の西鶴研究は未読ゆえ、
森田誠吾の講評の当否は判断できぬ(..) ただ、森田誠吾は森銑三の生涯を辿りながら森銑三の業績
を顕彰しようと試みてたはずが、結局は「西鶴一本説」を否定、しかも、それを岩波新書で行なった
点に大いに違和感(@_@) 森田誠吾は触れていないけどさ、佐藤信淵を「疑問の人物」として否定した
森銑三の業績に対し冷淡だったのが『日本思想体系』で、その版元は言うまでもなく岩波書店(+_+)
読者が本書の記述を真に受けたら、森銑三の説に応えた中村幸彦の論考は無いものとされ(黙殺!)
国文学界は森銑三の説を依然黙殺したままと誤解しちゃうし、更には森田誠吾の論評判定によって
森銑三の説は国文学界からも黙殺されて然るべき「異説」にすぎぬと思い込みかねないじゃん(+_+)
本書によって森銑三の説を取り巻く状況は好転したのか(@_@) むしろ意図せざる結果を森田誠吾は
招来したよね(..) 文献調査の行き届いてない本書の原稿に対して岩波の編集者はアドヴァイスとか
しなかったのかね(@_@) 岩波書店を批判しまくってきた谷沢永一のことなど教えたくないわな^_^;
森銑三の説の実質黙殺状態を本書で助長強化した岩波書店も罪深い(+_+) 「東京大学史料編纂所は、
『大日本資料』を刊行することを第一の目的としていた。」という誤植もチト恥しいレヴェル(+_+)
本篇からも得るものはあったが、その短篇が中村幸彦よりも早かった杉本苑子の凄さを再認識(゚o゚;)

昨夜は肌寒くて眠りやすかったのに布団に入ったのが日付の変わる直前で勿体無いことした(+_+)
タグ:評伝 随筆
コメント(2) 
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コメント 2

革新のXPERIA

おはようございます。
方も何度nice有難うございます。
by 革新のXPERIA (2017-08-13 06:33) 

middrinn

どれが上杉達也か判りませんでした^_^;
ツボにはまる記事が貴ブログにはあるので、
興味深く拝読させて頂いております(^^)
by middrinn (2017-08-13 07:14) 

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