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161006読んだ本&買った本

他店より高値を付ける上に土日は休みなのか注文してから届くのに6日もかかるネット古書店とは(+_+)

【読んだ本】

井上章一『キリスト教と日本人』(講談社現代新書,2001)所蔵本

先月読了してメモるまでもないと思っていたが、蔵書リスト作成の要があり、メモっておくことに^_^;
相変わらずメチャ面白く、知らなかったことばかりで多くを学べたから(故に付箋も大量に貼った)、
「再読もあり(^^)」也(^^) 本書は前作に当たる『南蛮幻想』『法隆寺への精神史』の補論でもあるが、
両書は単行本を熟読したのみならず、前者はたしか「安土城へ、ユリシーズ」と題した連載時にも毎月
欠かさず読み耽っていたし、後者は何ら必要もないのにレジュメまで切ったぐらい読み込んだ記憶^_^;
『つくられた桂離宮神話』のサントリー学芸賞受賞をまるでスキャンダルであるかのように週刊新潮が
大きく記事にしたのを読んで同書を買いに走って以来、信者宜しく単行本が出る度に買うわ読むわも、
後にフィールドワーク派へ転んだので、いつしか読まなくなり、買いもしなくなった^_^; 久しぶりに
読んで面白かったが、気になる点も(..) 「江戸期の平均的な」キリスト教観を抽出するために著者は
ホントに文献を渉猟かつ精査したのかなぁという疑問^_^; 著者の論の進め方は、松浦静山が「日本の
鬼子母神像は、聖母がイエスをいだくキリシタンの像と、よく似ている。」などといった話を林述斎と
「語りあっていた。」ことと、京都「竜口のわき水のでるところに、キリスト像があるという話」を
松浦静山は「岡口益菴という医者から、聞いていた。」ことを紹介した後、「いずれも、静山ひとりが
興味をよせていた話ではない。林述斎も岡口益菴も、すくなからぬ関心をいだいていた。」と纏めて、
他事例も加えた上で、「江戸後期の知識人たちは、けっこうこういう話を語りあっていた。キリシタン
に関する話題で、知的な好奇心をふくらませていたのである。」と結論づけるもので、強引だよね^_^;
それぞれ時間と場所を異にする、AとBの会話およびAとCの会話が、Xという同じ話題になった場合、
Xに「すくなからぬ関心をいだいていた」と推定できるのはA、つまり松浦静山だけだろ^_^; しかも、
誰々がこんなことを書いてた、また誰それも同じようにあんなことを記してたと紹介し、各言説を時代
精神に還元する方法論のせいか、各論者の動機や個人史など個別事情的な背景を無視して論を進めてる
嫌い^_^; 松浦静山が「さまざまな文化項目」を「しばしばキリシタンに関連づけつつ、論じている。」
のは、「江戸後期の時代精神」に関連づける前に、そもそも松浦氏は肥前平戸藩主なんだから(本書も
「潜伏キリシタンの情報も」「肥前の旧藩主である松浦静山なども、当然知っていたと思われる」との
記述はある)、歴史的にキリシタンとは深~い縁があった土地の領主として、もともと「キリシタンに
関する話題」は身近なものだったから、とも考えられるよね^_^; また、これは本筋の話じゃないけど、
「しかし、この本[『対治邪執論』]は、林大学頭家にずっとつたえられていた。・・・幕府の儒者で
ある白石が、読んでいた可能性は、低くない。シドッチへの尋問をはじめる前に、目をとおしていたか
とも思うが、どうだろう。」と書くが、新井白石の来歴・事績・性格から、それは無いだろう(@_@;)
そもそも「ことに木門出身の彼は林家から忌まれ」(森銑三「五月十九日 新井白石」『偉人暦』上巻
[中公文庫,1996])ていたわけで、白石が「幕府の儒者」になった後も、林家とは疎遠という以上に、
さまざまな政治課題その他で衝突・論争していた史実が知られてて、例えば、奈良本辰也『日本の歴史
17 町人の実力』(中公文庫,1974)ですら、白石が林信篤を論破して遣り込め、林家が恥を曝す逸話を
幾つも紹介してるじゃん(同書紹介の逸話を、「折りたく柴の記」『日本の名著15 新井白石』[中公
パックス,1983]で確認すると同書の描写以上に林信篤が小人物である事実が「原注」から判明)(^^)
更に、森銑三&柴田宵曲『書物』(岩波文庫,1997)の「書物の貸借」の項で「新井白石は蔵書を人に
貸すことをしなかった代りに、自宅において閲覧を許した。そして昼には食事を出した。白石の蔵書を
そうして見せてもらって、馳走にまでなったら、さぞかし気詰りだったろうと思われる。」と森^_^;
司馬江漢に関しては既に書いたけど、著者は各文献の記述を「表面的にながめてい」るだけのように
思えてくるんだよね(..) 記述内容だけを見てピックアップしてるんじゃね?などと邪推しちゃう(..)
この著者は32年前に「粗雑な歴史観」と酷評されて「くやしい」思いをしたはずなんだけどなぁ^_^;
んな訳で気になる点もあるが、仏教がキリスト教の起源であるとか、あるいは、その逆とか、この手の
伝播論を紹介する本はトンデモ本以外では貴重なので高く評価したい(^^) ← フォローじゃないよ^_^;
本家ブログで前に言及(てゆーか批判)したけど、「鬼平を歩く」という連載記事を書いてた毎日新聞
東京編集局の小松健一記者が2016年9月6日付の毎日新聞「記者の目」に〈不寛容な今 「情」に共感~
「鬼平を歩く」を連載して〉と題して書いてた一文を読んで、本書の意義を再確認(^^) その一文は、
「罪を犯せば罰し、更生させる考えがなかった時代。予防拘禁的な側面もあったが[ ← 勉強の跡が
見られるね(^^)]人足寄場は画期的な施設だった。社会復帰を支援する情け深い平蔵というイメージが
生れる。」とした上で、「今は地球規模で不寛容な時代だ。国家、宗教、民族、価値観が相互にいがみ
合い、善と悪のレッテル貼りをしている。」と話は大きくなるんだけど、小松健一記者は自らが拠って
立つ視点が何に由来してるのか、ソレが実は〈創られた伝統〉にすぎないことすら気付いていない^_^;
前に取り上げた2015年10月16日付の毎日新聞の「鬼平を歩く 江戸・東京今昔⑪ 石川島の人足寄場」で
「平蔵が人足寄場のアイデアを思い描いた」と書いてたし、どうやら人足寄場を長谷川平蔵のアイデア
と思い込んでる^_^; 人足寄場は寛政の改革の一環で設置され、老中の松平定信の命によるわけだけど、
そのアイデアをオランダ起源とする学説や中国起源とする学説があるんだよね(^^) そういう伝播論も
あるのに、人足寄場は日本オリジナルで「画期的な施設」であるという主張が生れ、ソレ一色になった
のは実は戦争中(@_@;) 当時の戦争は〈総力戦〉だったから、学者も日本精神の探究へと〈思想戦〉
に動員させられて、その運動の中から、外国起源性かつ欠陥ばかりが指摘されていた人足寄場さえも、
日本固有の制度として「正に世界史的意義を有する」といった風に高く評価する言説が誕生・席捲(+_+)
「はしがき」の日付が「昭和十八年五月下旬」で原著が出たのが昭和19年3月だった森銑三&柴田宵曲
・前掲書が「書名」の項で、〈俳書といえば日本だけのものであろうのに、『日本俳書体系』などいう
叢書も出来ている。どうでも「日本」の文字が必要ならばとにかく、むやみにそれを附けたがるのは
どうであろうか。〉と歎いているが、この『日本俳書体系』については分からないけれど、戦争中に
「日本」という文字を書名に「附けたが」った事情は、このコンテクストから充分理解できるはず(^^)
小松健一記者は偏狭なナショナリズム的言説と全く同じことを主張しながら、「今は地球規模で不寛容
な時代だ。」と大上段に語るから、ちゃんちゃらおかしい^_^; なお、本書も「伝播関係のあったことを
当然の前提とするかつての思考慣習は、なくなったと言ってよい。」とした上で、「あて推量で書くが、
[伝播を当然とする]古い歴史観は、民族主義の高揚によって圧倒されたような気がする。」由(^_^;)
伝播の可能性を頭から否定するのはウリジナル的歴史観に陥る危険(^^) 以下は蔵書メモ^_^; (写真・
大木茂)『ノスタルジック・アイドル 二宮金次郎』(新宿書房,1989)は借りて読んだので未所蔵(+_+)

『つくられた桂離宮神話』(弘文堂,1986)→(講談社学術文庫,1997)
『邪推する、たのしみ~アートから風俗まで』(福武書店Fukutake Books,1989)
『霊柩車の誕生 新版』(朝日選書,1990)未読
『美人論』(リブロポート,1991)→(朝日文芸文庫,1995)
『美人研究~女にとって容貌とは何か』(河出書房新社,1991)
『狂気と王権』(紀伊國屋書店,1995)→(講談社学術文庫,2008)
『美人の時代』(文春文庫,1995)
『戦時下日本の建築家~アート・キッチュ・ジャパネスク』(朝日選書,1995)
『関西人の正体~コテコテの大阪が薄味を好むわけ』(小学館,1995)→(小学館文庫,2003)
『法隆寺への精神史』(弘文堂,1996)
『グロテスク・ジャパン』(洋泉社,1996)
『美人コンテストの百年史~芸妓の時代から美少女まで』(朝日文芸文庫,1997)未読
『南蛮幻想~ユリシーズ伝説と安土城』(文藝春秋,1998)
『人形の誘惑~招き猫からカーネル・サンダースまで』(三省堂,1998)未読
『愛の空間』(角川選書,1999)未読
『キリスト教と日本人』(講談社現代新書,2001)
『パンツが見える。~羞恥心からの現代史』(朝日選書,2002)未読
(鹿島茂との共著)『ぼくたち、Hを勉強しています』(朝日新聞社,2003)未読
『名古屋と金シャチ』(NTT出版ライブラリーレゾナント,2005)未読
『夢と魅惑の全体主義』(文春新書,2006)未読
『ハゲとビキニとサンバの国~ブラジル邪推紀行』(新潮新書,2010)
『妄想かもしれない日本の歴史』(角川選書,2011)

永井路子『美貌の女帝』(文春文庫,2012新装版)所蔵本

池田弥三郎『百人一首故事物語』(河出文庫,1984)所蔵本

伊藤整ほか編集『日本現代文學全集 86 石坂洋次郎・石川達三集』(講談社,1980増補改訂版)

森銑三&柴田宵曲『書物』(岩波文庫,1997)所蔵本

【買った本】

杉本苑子『小鳥の食卓』(中公文庫,1997)

といっても、ほとんどポイント払いなので10円だったし、経年焼けの他は状態も良い方だから満足(^^)

昨夜はミニ暴風雨だったし、最高気温31℃だった一昨日に続いて今日も30℃超え(+_+) 10月なのに(+_+)

[追記161029]

『阪神タイガースの正体』(ちくま文庫,2008)未読
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