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170721読んだ本&昨日買った本

漢の昭帝の二重国籍疑惑、んにゃ、実は日本人だった疑惑を完全に払拭するには至らなかった(+_+)

【読んだ本】

班固(小竹武夫訳)『漢書5 列伝Ⅱ』(ちくま学芸文庫,1998)

杉本圭三郎(全訳注)『平家物語(二)』(講談社学術文庫,1979)の「蘇武」章、匈奴に囚われた
蘇武が「・・・思ふ事を一筆に書いて、/・・・鴈の翅にむすび付けてぞはなちける。・・・鴈、秋は
必ず越地より都へ来るものなれば、漢昭帝、上林苑に御遊ありしに、夕ざれの空薄ぐもり、何となう
物哀れなりけるをりふし、一行の鴈とびわたる。〉の件(現代語訳だと「・・・望郷の思いを一筆
書いて、/・・・雁の翼に結びつけて放した。・・・雁は・・・秋には北国からかならず都へ飛び
わたるものである。漢の昭帝が、上林苑で宴遊なさっていた折、夕暮の空は薄ぐもりでなんとなく
物哀れに感じておられたとき、一列の雁が飛びわたって来た。」)で気になった点が3つあった(..)
①手紙を「雁の翼に結びつけ」たとあるが、蘇武が結び付けたのは雁の足のはず(@_@) ②漢の昭帝が
「秋」の「夕暮」に「なんとなく物哀れに感じて」て、まるで日本人のように描かれている点(゚ロ゚;)
③「鴈、秋は必ず越地より都へ来る」とあるが、「越地」は日本の地域名なので文脈に合わない点
(+_+) 越前へ赴くことになった紫式部が詠んで新古今集にも入った有名な歌「北へ行く 雁のつばさに
言伝てよ 雲の上書き かき絶えずして」が脳裏に浮んで、平家物語の作者は、「足」を「翅(翼)」
としてしまい(①)、「胡国」とすべきところを「越地」と誤記した(③)、と小生は推理した(^^)
ただ、同歌の注釈では、石田吉貞『新古今和歌集全註解』(有精堂出版,1960)が「蘇武が雁の翅に
文を附けて送った故事によったもの。」と「註」に、窪田空穂『完本新古今和歌集評釈』中(東京堂
出版,1964)も「中国の古代の蘇武が、雁の翅に文をつけて贈った故事によるもの。」と「語釈」に
記してるので、この「蘇武」の章の典拠とされてる『漢書』を確認することにした次第(^^) 予約した
本書を受け取るために、昨日は猛暑の中、山を越え谷を越え、街まで歩いて行った小生は勇者(T_T)
それなのに本書には原文が載ってなくて訳文だけヾ(`◇´)ノ彡☆コノ!バカチンガァ!! 一応、当該箇所を
「李広蘇建伝第二十四」から引くと(238頁)、〈数カ月して昭帝が即位し、数年たって匈奴と漢が
和親した。漢が武らの引き渡しを求めたところ、匈奴は武が死んだとあざむいた。のち漢の使者が
また匈奴に行ったおり、常恵はその看守の者に請い、夜半これとともに漢の使者に会うことができ、
みずからつぶさに事情を述べた。そして使者の口から単于に、天子が上林苑内で射猟して雁を得たが、
その足に帛書が結んであり、それには、武らは某[しかじか]の沢中におると書かれていた、と言わ
せようとした。使者は大いに喜び、恵のことばのままを言って単于を責めた。単于は左右の者を視て
驚き、「武らは、実は生きておる」とて漢の使者に詫びた。〉とある(^^) この一節の訳文を読んだ
限りでは、上記の3点は、平家物語の作者による誤記、脚色、補筆の際の誤記だった可能性が高い(^^)
戦争序盤に日本軍に痛めつけられた怨みからマッカーサーの占領行政は日本人に過酷なものになると
予想したら全く正反対のものだったので、彼の祖母は日本人である、彼の母は京都生れの日本女性で
ある等々の流言が日本全土で乱れ飛んだとタモツ・シブタニ『流言と社会』東京創元社にはある、と
丸谷才一「日系マッカーサー」(同『犬だって散歩する』[講談社文庫,1989])が紹介してたな^_^;

【昨日買った本】

杉本苑子『今昔物語ふぁんたじあ』(講談社文庫,1978)

猛暑の中を歩いた勇者みどりんへの御褒美か探してた本が美品じゃないけど108円で手に入ったよ(;_;)

味を占めた毒舌じいさんは今日も別のブックオフへと、この炎天下に歩いて行くらしいぜヾ(¬。¬ )
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170720読んだ本

欲しい本が買えるだけポイントもギフト券も貯まったのに踏み切れないのは貧乏性の為せる業(-ω-、)
バブルもデフレも経験したから、チト高すぎだろ、いずれ下がるんじゃないか、と考えてしまうし^_^;

【読んだ本】

杉本苑子『残照』(旺文社文庫,1987)所蔵本

「癖馬」という一篇を読んだ(^^) 描かれているのは、『はみだし人間の系譜』(中公文庫,1996)の
「ヨウトホエルの末路」で取り上げてた、そこそこ有名な人物で、彼の息子を主人公に据えてる^_^;
同エッセーを読んだ時に、江戸時代、しかも公儀直参のくせに、マジありえない〝はみだしぶり〟で
驚かされ免疫があったから、スムーズに読めたけど、本篇では目黒につくった「槍冨士」を巡る騒動を
中心に叙述していた^_^; だから、富士山信仰、富士講、「富士塚」の話も少しだけ紹介されてた(^^)
横田洋一による〈浮世絵師・五雲亭貞秀「ただいま富士山上空なり!」〉が芸術新潮1997年11月号に
載ってる(^^) 「・・・横浜浮世絵を一番最初に描いた絵師・・・」貞秀が富士山を火口の真上から
描いた《富士山真景全図》その他を紹介してて面白いんだけど(まるでドローンみたいな絵師だね)、
富士信仰、富士講、富士塚にも言及してて「貞秀のこの作品はそのことと無縁ではあるまい。」(^^)
同図には仕掛けが施されてて、「起こし絵」になってたり、山麓の一部は「・・・上の紙をめくれば
富士山内部の洞穴が現れ、胎内くぐりをする人々の姿が見える。」(゚o゚;) 火口の中に書かれている
「ふしのやま のほりて見れハ 何もなし よきもあしさも ワかこゝろなり」という句は、好いな(^^)
なお、同誌同号の特集は「薬師寺は生きている」(^^) 2008年春の東京国立博物館平成館での「国宝
薬師寺展」と薬師寺東京別院での「もうひとつの薬師寺展」は行った(^^) 薬師寺は中学の修学旅行で
行ったかもしれないけど記憶が無い(..) 奈良にはよく行く方だけど、いつか薬師寺にも行きたい^_^;

街まで歩いて図書館とブックオフに行くのも猛暑で命懸けの様相だが、さて、どうすっかな(..)

[追記170730]

同誌同号に「この句は、冒頭で紹介した《富士山真景全図》の火口の中に書かれている。」とあり、
不審に思いつつも、小生も「句」と表記した次第^_^;
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170719読んだ本

蕪村の前に蕪村なく、蕪村の後に蕪村なし、う~ん、マンダム・・ヘ(__ヘ)☆\(^^;それはブロンソン!

【読んだ本】

芸術新潮2006年6月号所蔵誌

特集「芭蕉から蕪村へ 俳画は遊ぶ」を読んだ(^^) そのメインはインタヴュー形式で、雲英末雄が
俳諧・俳画の歴史を「解説」するもので、山崎宗鑑に始まり、松永貞徳(貞門俳諧)、野々口立圃、
西山宗因(談林俳諧)、井原西鶴、梶山保友、芭蕉、許六、其角、角上、蕪村、月渓、几薫、九老、
楮良、建部巣兆、藤森素檗、井上士朗、大江丸、一茶といったところを取り上げて、他に絵俳書や
俳諧一枚摺(これのみ伊藤善隆がコラムで)も紹介してる(^^) 今月読んだ芸術新潮2001年2月号の
特集「与謝蕪村 江戸ルネサンス最大のマルチアーティスト」が、蕪村の生涯に沿って、その作品を
辿るのに対し、本特集は俳諧・俳画の歴史の流れの中で蕪村を捉えるから、両特集を読めば蕪村も
ヨリ立体的に理解できるかと(^^) 《雲英 ここであらためて、俳諧という言葉について確認して
おきましょう。「俳」は漢字の意味としてはおどけとか戯れの意味。「諧」は合う、かなう。つまり
ふざけながらも物事の本質をついたり、対立するものを昇華して調和にみちびいてゆく、それが
俳諧という語の原義です。/俳画もまた、俳句と絵画という別個の表現を統一し、調和させるのが
理想だと思います。しかし、実際にはこれはなかなかの難事。西鶴にしても、芭蕉・其角にしても、
絵の魅力はともかくも、画文の関係が前者による後者の絵解きに終わっている。岡田利兵衛氏は、
このように絵が句の説明になっているケースを「じか付[づ]け」と呼びました。大多数の俳画は
じか付けレベルにとどまるのですが、絵と句の関係をもっとひきはなし、両者の微妙な照応を読み解く
ことではじめてひとつの世界がたちあがってくる――岡田氏の分類における「匂付[においづ]け」
による俳画も無いわけではありません。その名手が蕪村(1716~83)。この人の手で俳画の水準は
一気にひきあげられ、ジャンルとして成熟したと言ってよいでしょう。/Q じか付け、匂付けは、
連句の用語でしたね?/雲英 連句の用語としては、じか付けではなく物付[づ]けと言います。
前句に対して単語の伝統的な連想関係(梅に鶯、月に雁のたぐいです)に頼って後の句を付けるのが
物付けで、どうしても飛躍が乏しくなる。一方、匂付けは、そのままで歴とした連句用語です。前句が
含みもつ情趣をくみとって、雰囲気的に付けるもので、芭蕉が完成させた手法なのですが、その芭蕉も
俳画となると本特集に図版を載せた以外でも、〈枯枝に烏とまりけり秋の暮〉の句に対して枯れ木に
とまった烏を描き、〈あかあかと日はつれなくも秋の風〉の句にほんとに赤い夕日を描いてしまう、
といった調子でじか付け一本槍。でも、芭蕉にせよ西鶴にせよ、絵はあくまでも余技、アマチュア
なのですからそれ以上を求めるのは酷かもしれません。そこへゆくと蕪村は俳人であると同時に、
当時の最高の画家のひとりでもありましたから。》_φ( ̄^ ̄ )メモメモ 同特集中の坪内稔典との対談
「俳画今昔」でも、雲英曰く「俳画において絵と句が合体してある種の世界をつくるといっても、
実際には句の絵解きのような説明的な絵が多い。そこへいくと、蕪村だけが、句画を融合させて、
句とも絵とも違う第三の世界を創り出そうと考えていたらしいということがわかる。」(^^) また曰く
「俳画の歴史を振り返ると、蕪村が頂点を極めてしまったといえるんですね。蕪村以後の俳人たちは、
ある程度は自分の個性を発揮している人もいますが、かなりの程度、彼の模倣というかエピゴーネン
という感じは否めません。蕪村の俳画にある、他にはない卓絶した個性はなにかといえば、やはり
知的な操作が凝らされた、いわば主知主義とでも呼べるところでしょう。」(^^) 実際、蕪村の絵俳書
『安永三年蕪村春興帖』に載っている「大きな甕の下部が割れて子どもが飛び出している図」だけど、
そこには蕪村門下の月渓の発句「筧から流れ出たるつばきかな」が添えられてる(@_@) でも、「筧も
ツバキも描かれていないわけですから一見、この句と図は関係がないようにおもえます。」という、
この謎の俳画を雲英が読み解いてくれ、唸らされたわ(゚o゚;) 「坪内 ・・・でも、この図柄は司馬
温公の故事を知っていなければおもしろくない。蕪村がこの絵俳書を贈った人たちは、この故事を
知っているような教養人で、これを見ながら、句と画が呼応する楽しさを味わえる人たちだった
ということですね。/雲英 そうなんです。知識や教養を同じくする知的なコミュニティーがあった
からこそ、蕪村はこんな知的な遊びが出来た。そして、蕪村以外こんな句と画が響きあうなぞかけ
のような俳画を描いた俳人はいません。そういう意味でも傑出した存在だといえます。」と(゚o゚;)
ちなみに、同対談もメチャ面白い(^^) いきなり坪内が「子規に〈古池に蛙とびこむ俳画哉〉という
句があります。俳画というのは、古池に蛙が飛び込んでいるような、旧套のイメージを十年一日の
ごとく繰り返している停滞した世界だと考えていたんでしょう。蕪村だけは評価していたようですが、
俳画を嫌ってたのだと思います。子規が重んじたのは俳画ではなく写生で、本格的な絵を目指した。」
という先制パンチで始まり、坪内が蕪村作らしき品を持ち出して雲英に鑑定してもらう件も面白い(^^)
なお、芭蕉の《「鉢たたき」自画賛》は安彦立ちにも似た佇まいが何とも言えない可愛いらしさ(^。^;)

予約してた本を受け取りに図書館、ついでにブックオフも行きたいけど、街まで歩けるだろうか(..)
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170718読んだ本

蝶は世界をどう認識してるのかな(´・ω・`) 近くに人が居ても気にしてなさそうなとこも「優雅」(^^)

【読んだ本】

杉本苑子『残照』(旺文社文庫,1987)所蔵本

続けて「みぞれ」を読んだ(^^) 火事か?と薬を包む作業をしていた大槻俊斉が気付くと「火もとは、
小伝馬町の牢屋だそうでございますよ」と下男が告げる冒頭の場面で、誰を描いた歴史小説なのかは
判っちゃうわな^_^; にしても、主人公の「破局」をもたらしたのが「島津侯」というのはねぇ(@_@)
これ以上のネタバレは主義に反するので、作品中の台詞で気に入ったものを書き抜くことにする^_^;
「錬えるどころか、牢獄は人間を堕落させるところだ」「人の未だ識らざることを知り、人のいまだ
憂えざるを憂うる者は、かならずこの国の為政者にうとまれる。学ぶなら賢く学ぶことだ。ゆめ、
おれの轍を踏んではならぬぞ」「ははは、機会[おり]などというものは作らなければ、百年待った
とて来はいたしませぬよ」(^^) 『風の群像』の時とは違って、〈轍を踏む〉を誤用してないね^_^;

再び寝不足地獄(+_+) 午後は強い(雷)雨が降ったり止んだりで網戸に出来ず、室温を下げられぬ(+_+)
タグ:小説 歴史
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170717読んだ本

37度という予報を視てハズレるよう祈ってたらラッキーくじ全敗しちゃったじゃんか(´;ω;`)ウッ…
例によって夜明け前に目が覚めて網戸越しにウグイスの鳴き声がするので起きちゃったけど、8時過ぎ
から2時間余り寝たら今度はヒヨドリの鳴き声が^_^; 今夜から21時消灯で8時間睡眠を目指すぞ(^o^)丿

【読んだ本】

杉本苑子『残照』(旺文社文庫,1987)所蔵本

続けて「影絵」という一篇に取り掛かるも、最初つまらなくて僅か30頁余の読了に3日かかった^_^;
でも、途中から面白くなって一気呵成に読み終えたけど(^^) 「静岡県清水市三保に、藤五郎稲荷と
よぶ社がある。」云々と最後にあり、この小説のペースとなる史実か伝承がありそうと、ネット上で
調べると、かなり史実に基づいてるようで、しかもドラマチックに仕上げられた歴史小説だった(^^)
主人公の小旗本の関屋新之助が、旧交のある駿州の三保神社の宮司職で、三保村一帯を社領としてる
太田家の当主・太田健太郎を訪ねたら、ちょうど越訴の現場に遭遇したところから物語は始まる(^^)
しかし、小人としか評しようのない歴史上の人物を、いかにも屑は屑らしく描いちゃうのが凄い^_^;

昨夜注文のマウス届く(^^) ヨドバシ&日本郵便ありがとうm(__)m インストールせずに使えた謎(@_@)
タグ:小説 歴史
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170716読んだ本

試験をやっている教室を覗き込んだら、答案を提出し終えた受験者が机上の消しゴムのカスを集めて
問題用紙にのせ、教室の外のゴミ箱に捨てて帰って行った(゚o゚;) そんな奇特な人、初めて見た(^。^;)
ちなみに小生は受験者でも出題者側でも試験監督員でもなく、試験とは無関係な通りすがり(´・ω・`)
通りすがり? そんな名前の人知らないっ(._+ )☆ヾ( ̄ヘ ̄; )紗霧の台詞、使い方が違うだろうがっ!

【読んだ本】

水原一(校注)『新潮日本古典集成 平家物語』上(新潮社,1979)

また杉本圭三郎(全訳注)『平家物語(二)』(講談社学術文庫,1979)の「蘇武」の章の一節^_^;
〈田にいくらもありける鴈ども、蘇武に見なれて、おそれざりければ、これはみな我古郷へかよふ
ものぞかしと、なつかしさに、思ふ事を一筆に書いて、/「相かまへて是漢王に奉れ」/と云ひ
ふくめ、鴈の翅にむすび付けてぞはなちける。かひがひしくもたのむ鴈、秋は必ず越地より都へ来る
ものなれば、漢昭帝、上林苑に御遊ありしに、夕ざれの空薄ぐもり、何となう物哀れなりけるをり
ふし、一行の鴈とびわたる。〉(繰り返し記号の部分は書き変えた)という件で、〈現代語訳〉は
〈田の面[も]に数多くおりていた雁は、蘇武を見馴れて、恐れなかったので、これはみなわが故郷
に通う鳥かと、なつかしく、望郷の思いを一筆書いて、/「心にかけて、きっとこれを漢王にさし
上げよ」/と言いふくめ、雁の翼に結びつけて放した。田の面の雁は、頼み甲斐あって、秋には北国
からかならず都へ飛びわたるものである。漢の昭帝が、上林苑で宴遊なさっていた折、夕暮の空は
薄ぐもりでなんとなく物哀れに感じておられたとき、一列の雁が飛びわたって来た。〉とある(@_@)
蘇武の故事で手紙を結び付けたのは雁の足とフツーされるのに、何故か翅(翼)に結び付けてる点で、
新古今集の紫式部の「北へ行く 雁のつばさに 言伝てよ 雲の上書き かき絶えずして」を連想させる
ことを昨日指摘したわけだが、そこで新たに気になる点が(..) 「・・・鴈、秋は必ず越地より都へ
来るものなれば、漢昭帝、上林苑に御遊ありしに、」の「越地[こしぢ]」は間違いジャマイカ^_^;
杉本による〈語釈〉は「越地」を「北陸路をいうことから、転じて北国のことをさしていう。」由、
だけど、「漢」の「都[長安]へ」飛来したという文意だから、「北陸路」という日本の地域名が
出てくること自体おかしく、そこからいくら「転じて」も論理的には〈日本の北国〉にすぎぬ(^。^;)
梶原正昭&山下宏明(校注)『新 日本古典文学大系44 平家物語』上(岩波書店,1991)131頁の脚注
二五「こし地」も、「本来は北陸地方のことだが、ここでは広く北国の意。」としてて、「本来は」
とか「ここでは広く」とかから、本義ではないことや例外的に拡大解釈したことが伝わってくるし、
市古貞次(校注・訳)『新編 日本古典文学全集 45 平家物語①』(小学館,1994)180頁の頭注四
「越地」も〈底本「こし地」。越路。日本の北陸道をいうことが多いが、ここは北国ぐらいの意。〉
とあり、「ぐらいの意」って、高田純次かユースケ・サンタマリアみたいなテキトー感^_^; 結局、
「越地」は〈日本の北陸道〉あるいは〈日本の北国〉の意味でしかなく、これを無限定の〈北国〉
として中国の北方地域も含むと解するのには無理があり、ここは素直に平家物語の作者が「湖国」
(杉本の〈語釈〉は「中国北方の匈奴をさす。」)とすべきところを「越地」と誤記してしまった
と捉える方が合理的だろ^_^; そして、それは父の任国の「越前」(福井県の中・北部にほぼ相当)
へ旅立つことになって女友達に対して詠んだ紫式部の上記の歌が、平家物語の作者の脳裏にあった
ために起きたと小生は推理する^_^; 片桐洋一『歌枕 歌ことば辞典 増訂版』(笠間書院,1999)の
「こしぢ【越路】」の項に〈「越」という形でもよまれた。北陸道。今の福井・石川・富山・新潟
県。・・・また秋には雁のやって来る所、春には雁の帰る所としてもよくよまれた。・・・〉とあり、
「雁」から「越」を連想し、また同書も紹介している大江匡房の「越路には誰がことづてし玉章を
雁の使のもてかへるらむ」などの「雁」&「越」を詠んだ他の歌を平家物語作者が意識した可能性
もある^_^; だけど、「鴈の翅」が決定的な証拠で、紫式部の歌が頭に浮かばなきゃ、雁の足を翼に
「改変」したりはしないと思うな^_^; さてさて、本書は底本が違うらしく、本書186頁は「蘇武は、
故郷の恋しき様を一筆書いて、泣く泣く雁の翅にぞむすびつけける。かひがひしくも田の面の雁、
秋はかならず都へ帰り来たるものなれば、漢の昭帝、上林苑に御遊ありけるに、・・・」となってて、
「越地」という文言は出てこない^_^; それに「蘇武」の章は「蘇武と康頼の行動を対照して述べ、
概括した、この挿話の結び・・・」(杉本の〈解説〉)で〆られていて、学術文庫版のは「漢家の
蘇武は、書を鴈の翅につけて旧里へ送り、本朝の康頼は、浪のたよりに歌を故郷に伝ふ。」という
書き出しだけど、この件も本書187頁だと「漢家の蘇武は、書を雁につけて旧里におくり、・・・」と
「の翅」が欠落(@_@) んで、本書188頁の「頭注」に「康頼と蘇武」との見出しで「補説」があって、
そこでは『宝物集』が「・・・蘇武説話を紹介する。」として、〈平家物語は『宝物集』から多くの
文辞を引用しているので、その例から見て、ここも『宝物集』の「康頼・蘇武」の説話連想が平家
物語に採りこまれたものと見るべきであろう。〉としている(@_@) だけど、そこで引用されている
『宝物集』(九冊本)には「漢王上林苑といふ所にて遊びたまひけるに、雁の足に文をつけたりける
を見たまひければ蘇武が文なりけり・・・・・・」とあって、「雁の足」となっている点を水原一は
見落としてるじゃんか^_^; やはり紫式部の歌に平家物語の作者は引き摺られて間違えたと思うな(^^)
にしても、各校注本が「鴈の翅に(ぞ)むすび」の部分で紫式部の歌に言及してない点は不思議だし、
「翅」(翼)でも「足」でも、そんなのはどっちでもいい些事という認識なのかしら(@_@;) 実際、
小学館のに至っては頭注欄に「本文鑑賞上、手引きとなるような事柄」として、「康頼の卒都婆流し
から、類似の中国の例として、蘇武の説話を引いたもの。中国説話の引用は、ほかにも少なくないが、
これはその代表的なものである。」として、両者の異同を無視しているのは解せぬ(@_@) 『漢書』が
もし「翅」になってたら、謝るけどさ^_^; 講談社学術文庫のは「『漢書』李陵蘇武伝をもとに構成
された説話であるが、直接それに依った叙述ではなく、改変されたものである。」と、読者に対して
注意を喚起してるだけでも良心的だと思う(^^) ちなみに、岩波書店のが一番読む価値なさそう^_^;

「エロマンガ先生」も「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」も何故ハーレム展開なのかしら(^。^;)
タグ:古典 和歌
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170715読んだ本

この話を面白くするんだったら、やはり同性愛(百合)のネタで引っ張るべきなのかしらね^_^;

【読んだ本】

久保田淳『新潮日本古典集成 新古今和歌集』上(新潮社,1979)所蔵本

承前m(__)m 杉本圭三郎(全訳注)『平家物語(二)』(講談社学術文庫,1979)の「蘇武」の章の
一節が気になる^_^; それは〈田にいくらもありける鴈ども、蘇武に見なれて、おそれざりければ、
これはみな我古郷へかよふものぞかしと、なつかしさに、思ふ事を一筆に書いて、/「相かまへて
是漢王に奉れ」/と云ひふくめ、鴈の翅にむすび付けてぞはなちける。かひがひしくもたのむ鴈、
秋は必ず越地より都へ来るものなれば、漢昭帝、上林苑に御遊ありしに、夕ざれの空薄ぐもり、
何となう物哀れなりけるをりふし、一行の鴈とびわたる。〉(繰り返し記号の部分は書き変えた)
という一節で、その〈現代語訳〉は〈田の面[も]に数多くおりていた雁は、蘇武を見馴れて、
恐れなかったので、これはみなわが故郷に通う鳥かと、なつかしく、望郷の思いを一筆書いて、/
「心にかけて、きっとこれを漢王にさし上げよ」/と言いふくめ、雁の翼に結びつけて放した。
田の面の雁は、頼み甲斐あって、秋には北国からかならず都へ飛びわたるものである。漢の昭帝が、
上林苑で宴遊なさっていた折、夕暮の空は薄ぐもりでなんとなく物哀れに感じておられたとき、
一列の雁が飛びわたって来た。〉(@_@) その〈解説〉も「『漢書』李陵蘇武伝をもとに構成された
説話であるが、直接それに依った叙述ではなく、改変されたものである。」としているとはいえ、
蘇武は手紙を「雁の翼に結びつけ」たのではなく雁の足に結びつけたとフツー紹介されてるはずで、
『漢書』に直接当たるのが王道だけど、みどりん読書メモリーに珍しくピビピッと来るものがあり、
別の本を手に取った^_^; 例によって、百目鬼恭三郎『新古今和歌集一夕話』(新潮社,1982)だが、
記憶通り、紫式部の回で紹介されてた歌がビンゴ(^^) その歌は「北へ行く 雁のつばさに 言伝てよ
雲の上書き かき絶えずして」で、「わたしがこれから行く北国の方へ飛んでゆく雁の翼に、あなた
のお便りを託してくださいな。消息文の上書きを書き絶やすことなく。」が、本書の現代語訳(^^)
父・藤原為時の任国の越前へ旅立つことになってた紫式部が親しい女友達に対して詠んだ歌だけど、
その女友達との付き合いに関して、久保田淳『新古今和歌集全注釈 三』(角川学芸出版,2011)は
「いささかセンチな少女趣味に類するし、やや同性愛的に傾向が絶無とはいえない。」と評してて、
百目鬼も「だから、とうに少女趣味の時期は終わっていたはずで、これはどうも同性愛的な傾向と
いわなければなるまい。」と断じてる^_^; それはさておき、久保田の同書によると、「旧注は、
この歌の作意を必ずしも十分に捉えてきたとはいえない。」とし、代表的な注釈書数冊を取り上げ、
「やはり紫式部自身が北国へ行くことには言及していない。」と指摘してたわ(゚o゚;) 南波浩校注
『紫式部集 付 大弐三位集・藤原惟規集』(岩波文庫,1973)だと、同歌の次に返歌が載っていて、
返歌の中に越前にある山の名や地名が詠まれてることを指摘し、「返歌中に式部の行く先の地名を
詠い込んだのも、エチケットである。」と脚注にある(..) かく言う小生も基本的なことを調べず、
蕪村の句を見当違いに解してたので、「追記」したけどさ^_^; ちなみに、久保田の同書や同訳注
『新古今和歌集』上(角川ソフィア文庫,2007)も「紫式部自身が北国へ行くこと」が反映してない
訳だったから、本書の訳をチョイスした次第^_^; さて、ここで気になる記述を見付けちったよ(..)
同歌に関し、石田吉貞『新古今和歌集全註解』(有精堂出版,1960)は「蘇武が雁の翅に文を附けて
送った故事によったもの。」と「註」に、窪田空穂『完本新古今和歌集評釈』中(東京堂出版,1964)
も「中国の古代の蘇武が、雁の翅に文をつけて贈った故事によるもの。」と「語釈」に記してた(..)
飛ぶのに支障ありそうだし、飛行中に落ちちゃいそうだから、翼(翅)は有り得ないと思うんだが、
やはり『漢書』を確認すべきなのかしら^_^; でも、もっと瑣末なことが新たに気になり始めた(..)

更新せず広告が出るようになって「また、つまらぬ物を読んでしまったorz」のランキング上昇中^_^;
タグ:古典 和歌
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170714読んだ本&買った本

11年目にして初めてウチにG出現(゚ロ゚;) 2階トイレ壁に昨夜いて、十数年前に実家で見て以来だけど
こんな大きかったっけ(^。^;) そんなことより、マウスの調子が悪いと思ってはいたけど、昨日から
1回クリックしただけなのに勝手にダブルクリックしたことになっちゃって、メールを意図に反して
開いちゃったり、一度に2つのウィンドウを閉じちゃったりと色々と不都合が生じて深刻な事態(+_+)

【読んだ本】

杉本圭三郎(全訳注)『平家物語(二)』(講談社学術文庫,1979)所蔵本

平康頼の卒都婆流しの前章を受け、「蘇武」は漢の蘇武の故事を紹介(^^) 〈・・・思ふ事を一筆
に書いて、/「相かまへて是漢王に奉れ」/と云ひふくめ、鴈の翅にむすび付けてぞはなちける。
かひがひしくもたのむ鴈、秋は必ず越地より都へ来るものなれば、漢昭帝、上林苑に御遊ありしに、
夕ざれの空薄ぐもり、何となう物哀れなりけるをりふし、一行の鴈とびわたる。〉(繰り返し記号
は入力できず書き変えた)の件は、〈現代語訳〉が〈・・・一筆書いて、/「心にかけて、きっと
これを漢王にさし上げよ」/と言いふくめ、雁の翼に結びつけて放した。田の面の雁は、頼み甲斐
あって、秋には北国からかならず都へ飛びわたるものである。漢の昭帝が、上林苑で宴遊なさって
いた折、夕暮の空は薄ぐもりでなんとなく物哀れに感じておられたとき、一列の雁が飛びわたって
来た。〉となるわけだが、気になる点が2つ(..) 〈解説〉には「『漢書』李陵蘇武伝をもとに構成
された説話であるが、直接それに依った叙述ではなく、改変されたものである。」とあるんだけど、
では、実際どこが「改変されたもの」なのかが指摘されてないから気になるんだよね^_^; 第1に、
「秋」の「夕暮の空」に「漢の昭帝が」「なんとなく物哀れに感じ」た云々は「改変された」結果
なのかしら(@_@) それとも、日本の王朝びとと同じように、中国人も秋の夕暮に物の哀れを感じた
という叙述が『漢書』にあるのか^_^; てゆーか、秋を物悲しい季節と感じる古今集以降の伝統は
実は中国から伝播したものだったりして(@_@;) 第2に、蘇武は手紙を「雁の翼に結びつけ」た
とあるけどさ、片桐洋一『原文&現代語訳シリーズ 古今和歌集』(笠間書院,2005)の脚注には
〈「漢書」蘇武伝によれば雁の足にかけたとある。〉し、西村亨『王朝びとの四季』(講談社学術
文庫,1979)もそう^_^; 「漢の天子が上林苑中で得た雁の足に蘇武の帛書がついていた云々という
あの有名な話は、もちろん、蘇武の死を主張する単于を説破するためのでたらめである。」とは、
中島敦「李陵」(同『李陵・弟子・名人伝』[角川文庫,1968改版])の叙述^_^; そもそも「翼に
結びつけ」たら、飛びにくそうだし、飛んでる内に落ちちゃう気がするんだが^_^; ま、『漢書』を
調べりゃ判ることだけど^_^; と、ここで記憶にピピッと来るものがあり、某書を明日読もう(@_@)

【買った本&読んだ本】

オジロマコト『猫のお寺の知恩さん』第4集(小学館ビッグスピリッツコミックス,2017)

期間限定ポイントを使って140円割引だから、とりあえず良しとしよう^_^; ずっと玄関で待ってて、
知恩さんが帰って来ると、おばあさんを起こしに行く「豆之助」も、随所で可愛い顏してて好き(^^)

メチャ暑くて早くも2階は換気システムを点けまくってるから電気使用量が昨年同月比で28%増(T_T)
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170713読んだ本&買った本

ゲームはやらずクイズの類いを毎日コツコツやって正答率5割程度でも多分一番ポイントが貯まるのが
Pontaだけど(みどりん調べ)、モールに出店している(古)本屋が少なく使い途が無いw(゚o゚)wオー!ノー!
前回は『妖棋伝』を購入できたが今欲しい本が軒並み売切で困ってしまってワン、ワン、ワワン(+_+)

【買った本&読んだ本】

オジロマコト『猫のお寺の知恩さん』第3集(小学館ビッグスピリッツコミックス,2017)

んで、同ポイントで購入し昨日の漫画を含めても1割引超に^_^; 猫は「マエカケちゃん」が可愛い(^^)

【読んだ本】

杉本苑子『残照』(旺文社文庫,1987)所蔵本

表題作の「残照」を読んだが、内容は「天狗党始末記」(神谷次郎による「解説」)で、一橋慶喜と
藤田小四郎(東湖の息子)にスポットライト(^^) 「元禄のむかし、赤穂浪士らをあずかった四家の
家臣の心情を、加賀の藩士たちは学んでいるおもむきがあった。天狗勢を〝義士〟と見、一橋慶喜と
天狗勢とのあいだに立って、降伏の口ききをした責任をも、加賀藩士らは感じていたわけである。」
が、「・・・わずか三日のあいだに、安政の大獄に数十倍する天狗党処分は終了したのである。」(..)

猛暑+強風なのに時々パラパラ降るから最悪(+_+) それでも朝夕と鶯の鳴き声がまだ聴こえる(^^)
タグ:小説 歴史
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170712読んだ本&買った本

【閲覧価値なしスルー奨励】早朝から特急で某国際的観光地に行き猫と戯れ写真を撮りまくった^_^;
あるソネブロで丁寧に紹介(アート?旅行?)されてた某ホテルも見たが小生には外観がキッチュで
悪趣味にしか感じなかったよ(..) んなわけでチョー疲れて今日は届いた漫画を寝床で読むだけm(__)m

【買った本&読んだ本】

杉本苑子『隠々洞ききがき抄』(集英社文庫,1983)

ポイント使って180円(..) 『隠々洞ききがき抄~天和のお七火事』(文春文庫,1992)は所蔵^_^;

水玉螢之丞『元祖水玉本舗 その1』(本の雑誌社,2017)

一応ポイント使って1割引は超えてる(..) 例の如く、著者の描くイラストがチョー可愛いくて大好き
なのでゲームのこと全く何一つ知らんが購入^_^; ちなみに、平成29年2月22日付の「お詫びと訂正」
が挟まってた(@_@) 巻頭8頁はカラーだけど、他の頁は元々カラーではなかったということかな(@_@)

萩尾望都『ポーの一族 春の夢』(フラワーコミックススペシャル,2017)

帯に「40年ぶりの新作!」とあるけど、やはり昔と画が違うね^_^; また〈「一族」の核心に触れる
驚愕の新展開!〉とあるけど、既刊に伏線が描かれてたのかどうか再読せねばならないのかしら^_^;

オジロマコト『猫のお寺の知恩さん』第1集(小学館ビッグスピリッツコミックス,2016)
オジロマコト『猫のお寺の知恩さん』第2集(小学館ビッグスピリッツコミックス,2016)

衝動買いで、以上の漫画3冊は定価で買っちった(+_+) 第1集「おまけ」⑤に「オリ開幕連敗」(;_;)

今回スロットがほとんど当たらねーんだもん(T_T) 帰宅してから頭が痛いわ(+_+)
タグ:漫画
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