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181102読んだ本

「漱石を読んだことない人いるか? いないよなぁ」と現国の授業で言われて、誰も手を挙げないので、
挙手できなかった(-ω-、) だから、今、「けふもよむべし あすもよむべし」なんだよぉヾ(`◇´)ノ

【読んだ本】

戸板康二『最後のちょっといい話 人物柱ごよみ』(文春文庫,1994)所蔵本

    夏目漱石の『吾輩は猫である』のナマ原稿を、高浜虚子が読んでいると、突然、
    「俳句劇」というのが出て来た。/幕があくと、一本木が立っていて、その下で
    女が行水をつかっている。木の枝にカラスがとまる。そこへ虚子が登場して、
    ひとりごとをいう。「行水の女に惚れる烏かな」それで、幕というのである。/
    虚子はくやしいので、後年清元梅吉に、この句に節をつけてもらい、それが
    赤坂の花柳界で、大いに歌われた。

手元の夏目漱石『吾輩は猫である』(新潮文庫,1961→1968改版)だと、「俳句劇」ではなく「俳劇」、
「烏の足を糸で枝へ縛り付けて置くんです。」とあるけど、前者は「ほとゝぎす」掲載時に修正された
のかもしれないし、後者は揚げ足取り^_^; 高浜虚子が「くやし」かったのは、むしろ次の件では(@_@)

    今まで比較的大人しくしていた迷亭は、そう何時までもだまっている様な男ではない。
    「たったそれだけで俳劇はすさまじいね。上田敏君の説によると俳味とか滑稽とか云う
    ものは消極的で亡国の音[いん]だそうだが、敏君だけあってうまい事を云ったよ。
    そんなつまらない物をやって見給え。それこそ上田君から笑われるばかりだ。第一
    劇だか茶番だか何だか、あまり消極的で分らないじゃないか。失礼だが寒月君はやはり
    実験室で珠を磨いてる方がいい。俳劇なんぞ百作ったって二百作ったって、亡国の音じゃ
    駄目だ」寒月君は少々憤[むつ]として、「そんなに消極的でしょうか。私は中々
    積極的な積りなんですが」どっちでも構わん事を弁解しかける。「虚子がですね。
    虚子先生が女に惚れる烏かなと烏を捕えて女に惚れさしたところが大に積極的だろうと
    思います」「こりゃ新説だね。是非御講釈を伺がいましょう」「理学士として考えてみると
    烏が女に惚れるなどと云うのは不合理でしょう」「御尤も」「その不合理な事を無雑作に
    言い放って少しも無理に聞えません」「そうかしら」と主人が疑った調子で割り込んだが
    寒月は一向頓着しない。「何故無理に聞こえないかと云うと、これは心理的に説明すると
    よく分ります。実を云うと惚れるとか惚れないとか云うのは俳人その人に存する感情で
    烏とは没交渉の沙汰であります。然るところあの烏は惚れてるなと感じるのは、つまり
    烏がどうのこうのと云う訳じゃない、必竟[ひつきょう]自分が惚れているんでさあ。
    虚子自身が美しい女の行水しているところを見てはっと思う途端にずっと惚れ込んだに
    相違ないです。さあ自分が惚れた眼で烏が枝の上で動きもしないで下を見つめているのを
    見たものだから、ははあ、あいつも俺と同じく参ってるなと癇違いをしたのです。癇違い
    には相違ないですがそこが文学的で且つ積極的なところなんです。自分だけ感じた事を、
    断りもなく烏の上に拡張して知らん顔をして澄しているところなんぞは、余程積極主義
    じゃありませんか。どうです先生」「なる程御名論だね、虚子に聞かしたら驚くに
    違いない。・・・

「虚子自身が美しい女の行水しているところを見てはっと思う途端にずっと惚れ込んだに相違ない」、
「[美しい女の行水に]参ってる」と描かれては、高浜虚子はさぞ「くやしい」と思ったことかと^_^;

この新潮文庫版の巻末には、三好行雄による「注解」があるけど、たった83個しかないよ( ̄◇ ̄;)エッ!?
もしかして、この程度の数の注でも、同書の読者は『吾輩は猫である』を理解できたのかしら(@_@;)

   先刻[さつき]からこの体たらくを目撃していた主人は、一言も云わずに専心
   自分の飯を食い、自分の汁を飲んでこの時は既に楊枝を使っている最中であった。
   主人は娘の教育に関して絶対的放任主義を執る積りと見える。今に三人が海老茶式部か
   鼠式部かになって、三人とも申し合せた様に情夫をこしらえて出奔しても、やはり
   自分の飯を食って、自分の汁を飲んで澄まして見ているだろう。

「海老茶式部」(⇒ https://yomubeshi-yomubeshi.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20 )には「注解」が
付いてないけど、同書の読者は、何のことなのか、フツーに理解できたというのかしらね(@_@;)

今朝も8度だったけど、昼間に歩き廻って汗かいちゃった(^_^;) でも、夕食がおでんで太るな(-ω-、)
タグ:小説 随筆 列伝
コメント(22) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

コメント 22

そら

漱石ですかぁ、私は「我輩は猫である」も「坊ちゃん」も途中で挫折しました(^^;
この歳になり心に余裕が出来たのと感性が変わったのでちょっと読んでみようかと!
もちろんカワセミ待ちの間に(^^;
by そら (2018-11-02 19:41) 

middrinn

挫折どころか、小生なんか挑戦もしてませんよ(^_^;)
そら様はカワセミさんが生活の軸になってますね^_^;
by middrinn (2018-11-02 19:52) 

たじまーる

私も夏目漱石の本は読んだことありません( ̄▽ ̄;)
私だったら正直に手を上げちゃいますね(苦笑)
なのでいろんな本を読むmiddrrin様を
私は尊敬してます(///∇///)

by たじまーる (2018-11-02 21:00) 

enokorogusa

古典は好きですが、近代文学はからっきしダメ。
教科書で読んだだけです。
たぶん今後も読む機会はなさそう・・・
by enokorogusa (2018-11-02 21:05) 

middrinn

たじまーる様から尊敬されちゃった(^_^;)ヾ( ̄ヘ ̄; )でも、漱石、読んでないじゃん!
正直に挙手しようとしたんですけど、誰も挙げないから、アレレ!?と ( ̄◇ ̄;)エッ!?
by middrinn (2018-11-02 21:07) 

middrinn

近代文学はおろか、古典もからっきしダメです(ノ_-;)トホホ…
教科書も読んだ記憶が無い(-ω-、) 台形の所為だヾ(`◇´)ノ
enokorogusa様は古典に詳しいよね(〃'∇'〃) 漫画も^_^;
by middrinn (2018-11-02 21:11) 

センニン

こんばんは。
初めて小説を読んだのが「坊ちゃん」次いで「草枕」で、小学校高学年でした。
「草枕」はよくわかりませんでしたが、いいなという感じが残りました。
叔父さんにもらった函入りの旺文社文庫でした。
栞を何枚か集めるとプレゼントがもらえるのでした。
by センニン (2018-11-02 21:33) 

middrinn

凄い早熟ですねぇ( ̄◇ ̄;) 子供の頃の記憶が無いので、
小生は何が初めてだったのか思い出せません(ノ_-;)トホホ…
昔は講談社文庫等もカヴァー角を送ると貰えたかも^_^;
by middrinn (2018-11-02 21:40) 

ニッキー

「読んだことない人いないよね?」って言われて
挙手するのはかなりの勇気が必要ですよねぇ(*_*)
middrinnさん以外にも誰も手をあげないから、って
あげられなかった人はいたかも(⌒-⌒; )
「坊ちゃん」と「草枕」は読んだ記憶が=(^.^)=

by ニッキー (2018-11-02 22:29) 

美美

学生時代はあまり本を読むことはなかったんですが
お勤めをはじめ電車通勤になってからひたすら読みました。
今はすっかり忘れているかもですが(^^;
by 美美 (2018-11-02 22:44) 

ナベちはる

学生時代、本を読んだ憶えはありますがそのほとんどが漫画で、小説などの類は読んだ記憶がほとんどありません…(^^;)
by ナベちはる (2018-11-03 01:54) 

hanamura

「俳句劇」???なんだかコントみたいだなぁ。
by hanamura (2018-11-03 05:08) 

middrinn

たしかに、この訊き方は答えにくいですよね(^_^;)
ニッキー様ならワシントンになれましたか(〃'∇'〃)
って、お読みなんだ( ̄◇ ̄;) 『草枕』は凄い(゚o゚;)
by middrinn (2018-11-03 08:13) 

middrinn

フツーは勤め出すと本を読まなくなるような(^_^;)
美美様が箱根へ旅行中、旦那様は釣りに行かれた由、
ミミ様は大人しく御留守番されてたのかしら(^_^;)
by middrinn (2018-11-03 08:17) 

middrinn

小生も漫画脳ですけどね(^_^;) だけど、
ナベちはる様が最近お買い求めになった
『原民喜』、もう重版ですよ( ̄□ ̄;)
by middrinn (2018-11-03 08:21) 

middrinn

あれれ!? コメントのダイエットって、
hanamura様のとこだけじゃないの?
by middrinn (2018-11-03 08:22) 

mimimomo

夏目漱石でなくても「この問題、分かるよね? 分からないもの居るか?」と言われると挙手しにくいですよ(-。-
漱石ってあまり読んでないわ。今机の上に「倫敦塔」があるけれど
遅々として進まない(__;
by mimimomo (2018-11-03 14:55) 

middrinn

教卓は教壇の上にあって、生徒よりも高~い位置から発せられるわけですしね(@_@;)
『倫敦塔・幻影の盾』(新潮文庫,1952→68改版)は読もうと思ったまま本棚に^_^;
by middrinn (2018-11-03 17:26) 

Rifle

「吾輩は猫である」・「こころ」はどちらも高校時代に読書感想文の為に読みました。でも、漱石はそれだけです。
そのままでは意味が取れないとか誤解される可能性有とか、といった問題を未然に防ぐのが注釈だと思うんですが、注釈を作成する人(或いは人達)の能力次第という面もありそう。
by Rifle (2018-11-03 22:26) 

middrinn

お読みになられたとは、流石ですねぇ(〃'∇'〃)
注釈者(達)の能力次第というのはおっしゃる
通りでしょうが、注釈者(達)が想定する読者
レヴェルが高いと、注釈が少なくなるかと^_^;
by middrinn (2018-11-03 22:30) 

ワンモア

恥ずかしながら大人になるまで漱石は読んだことがありませんでした。
最初の印象は自殺するKの心の純粋さなどに惹かれましたが、読書を重ね、仏教の六大煩悩に当てはめて考えるようになると、登場人物たchのそれぞれの問題点がわかったようになり、青年の頃と違った印象を持つようになりました。
by ワンモア (2018-11-04 13:44) 

middrinn

信頼できる幾つかの読書論によると、漱石の作品は子供には分からないので、
大人になってから読むべきだとか(^^) なのに、未だに小生は読んでないの
ですが^_^; 若い頃と読後感が変ってくるので、再読も愉しいですよね(^^)
by middrinn (2018-11-04 15:36) 

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