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190329読んだ本&買った本

    ◇正宗[白鳥]先生と銀座を歩いている時だ。人ゴミの中を歩いていても先生は目が速い。
    「いま、あそこへ行ったのがツボイサカエだ」
     と教えてくれた。ふり返ったが、どの人だかわからなかった。
    「ツボイサカエというのは男ですか? 女ですか?」
     ときくと、
    「女だ」
     と云うのである。(ウチにはサカエという甥がいるけど)と思っていると、
    「君はナンニモ知らんな、知らんからいいかもしれんな」
     と、うまいことを云って下さったので、ついでに、
    「いくつぐらいの人ですか?」
     ときいた。
    「いくつぐらいになるかなあ」
     と考えてるらしいので、
    「〝二十四の瞳〟を書いた人でしょう、まだ子供でしょう」
     と云うと、
    「いや、四、五十位になるだろう」
     と云うのである。(ボクのカンでは、もの云うことも出来ない)と思った。家へ帰って、
    「ツボイサカエというのは女だぞ」
     と云うと、弟が、
    「そんなことを聞いてしまったのか」
     と驚くので、
    「知らなかったから聞いたのだ、誰だって、はじめから知ってる奴があるもんか、
    そんなことを云うなら、てめえ知っていたのか」
     と文句を云うと、
    「そんなことは聞かないでも、黙っていれば自然にわかることだ」
     と云うのである。
    「自然に?」
     とききかえすと、
    「ふだん、注意していて、新聞や雑誌の写真を見ていて覚えるのさ」
     と云うのである。(そいつは大変だ!)と思った。(そんなことじゃ、これから、
    夜もおちおちねむれなくなりゃしないか)と思った。・・・

深沢七郎『言わなければよかったのに日記』(中公文庫,1987)は何回読んでも気持ちいいな(〃'∇'〃)
たしかに「黙っていれば自然にわかること」はあるし、話したり書いたりして恥を掻く必要もない^_^;
メチャクチャ寒くて靴下をヒートテックのに履き替えたし、メチャクチャ眠くて何も出来ない(´ヘ`;)

【読んだ本】

永井路子『絵巻』(角川文庫,2000)所蔵本

朝日朝刊連載コラム「呉座勇一の歴史家雑記」の最終回「歴史学にロマンはいらない」から引く(@_@;)

    最近、私はあちこちで、歴史小説家が「歴史の真実」を解き明かそうとすることの危険性を
    語っている。・・・/110番通報があって警察が現場に駆けつけた時、血まみれの女性が
    横たわっていて、側に包丁を持った夫らしき男性が呆然と立ちつくしていたとする。もし
    これがミステリー小説・ドラマなら、夫は無実で真犯人は別にいるという展開になるだろう。
    だが現実に起こった事件だったら、十中八九、夫が犯人だ。/歴史的事実もこれと同じで、
    調べてみるとつまらない結論になることが多い。だが小説家は職業柄、話を面白くしよう
    として、ひねった解釈を提示する。・・・

この『応仁の乱』(中公新書)で売れっ子となった歴史学者のコラムは毎回興味深かった(^^) しかし、
〈歴史小説家が「歴史の真実」を解き明かそうとする〉作品とは誰のを指しているのか、読書家でない
小生には見当が付かない(^_^;) 「ミステリー小説」作家や「ドラマ」脚本家の手による歴史小説か^_^;
実はコレを26日に読んだ時、歴史学者(特に若手)にも名を揚げたりポストを得るために「話を面白く
しようとして、ひねった解釈を提示する」(歴史修正主義の)人がいるだろうし、他方で、小説家でも
永井路子なんか奇を衒った歴史解釈しないじゃん・・・などと、ここに書かなくて良かった日記(^_^;)

【買った本】

戸板康二『泣きどころ人物誌』(文春文庫,1987)

もったいない本舗楽天市場店で「良い」169(229円-60p)円(´・_・`) 20pくじ3回しか当たらず(-ω-、)
タグ:小説 歴史 随筆
コメント(10) 
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コメント 10

tai-yama

警察が駆けつけて遺体の近くに凶器を持っている人が立っていたら
(解釈無用の)現行犯逮捕かと(笑)。史書や文献から作家の味を
加えたものが歴史小説(作品)になる気もしたり・・・・
by tai-yama (2019-03-29 21:20) 

nmzk

週刊Pで連載していらっしゃる名古屋出身の作家ですね(^_^;)
by nmzk (2019-03-29 21:24) 

middrinn

警察に通報したのは第一発見者の夫で、妻の身体に刺さった包丁を抜いたとこかも^_^;
tai-yama様、それだと、歴史叙述が文学的な歴史家(≠歴史学者)になるのでは(^_^;)
by middrinn (2019-03-29 21:35) 

ニッキー

『言わなければよかったのに日記』面白いですネェ( ^ω^ )
確かに言わなければ良かったことってありますが
昔から「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」ともいうので
状況に応じてなんでしょうねぇ(⌒-⌒; )
私はそれが苦手ですがw
by ニッキー (2019-03-29 21:41) 

middrinn

やっぱり(^_^;) 朝日コラムでも『日本国紀』の種本として
その名前を挙げてましたから、「ミステリー小説」云々とは
nmzk様がおっしゃっている作家を指すのでしょうね(^_^;)
by middrinn (2019-03-29 21:44) 

middrinn

『言わなければよかったのに日記』は知る人ぞ知る快著でしたが、最近復刊されたようで、
ニッキー様、お勧めです(^o^)丿 「一時の恥」であっても掻く必要ない恥もあると^_^;
by middrinn (2019-03-29 21:47) 

ナベちはる

言わなければよかった…本当ですね((+_+))
by ナベちはる (2019-03-30 01:43) 

middrinn

ですよねぇ(^_^;) お蔭で読者は愉しめましたけど(^_^;)
by middrinn (2019-03-30 07:32) 

センニン

おはようございます。
正宗白鳥の名を久しぶりに見ました。
深沢七郎は『楢山節考』を読んだだけですが、あれ、民間伝承を基にしているんですよね。
文章についてはあまり強い印象はないのですが、この会話文を拝見するとちょっと好みでない感じです。
by センニン (2019-03-30 08:29) 

middrinn

『楢山節考』(新潮文庫,1964→1987改版)の日沼倫太郎「解説」に
「民間伝承の棄老伝説をテーマとした小説」とありますね(^^) 同書の
「東京のプリンスたち」や「白鳥の死」なども一読の価値あります(^^)
by middrinn (2019-03-30 08:53) 

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